GhostintheShell’s blog

こんな小さなメロディが貫いていく世界なんてない

今でも、あなたは私の光

ドラマ「アンナチュラル」のはなし。
 
三澄ミコトは自分を◯そうとした母が、
なぜ、何を思ってそんなことをしたのか、
想像で思い悩むことをやめ、
法医学で事実を追求することで、
自分が被りかけた「不条理な死」に抗い、
自分と同じような「不条理な死」を排除しようとした。
 
中堂系は解剖室で寝食をするほどに
恋人の犯人を探すこと、復讐することに固執しており、
もはや、そのためだけに生きていると言っても
過言ではない状況から、
残された遺族や、同じ事故や事件を防ぐために
法医学を続ける三澄と接することで徐々に考えを変え
最終的には自分が犯罪者になることなく、
生きて行くことを選ぶことになる。
 
恋人を「不条理な死」によって失った中堂系は、
その主犯と幇助犯を同じく不条理に◯そうとしたとき、
三澄ミコトは「私を絶望させないでください」
と言って中堂系に◯人を思いとどまらせる。
 
二人は自らに起こった「不条理な死」の対象者である恋人と母を
三澄は「負けてはいけないもの」、
中堂は「失ってはいけなかったもの」、
として自らの生きる光としている。
 
そのもう一方で三澄と中堂は
「不条理に負けないで生きている人」として
互いの中に「どう生きるべきなのか」という光を見出している。
 
だから三澄は六郎の恋心に気付くことさえ無い。
(元カレと同じように、自分と同じ土俵の人間として認識していない)
 
なので、この物語の結末は
中堂と三澄は遠い将来も近くにいるということと、
六郎には東海林がいるということ。
 
そこまで描いたら野暮だから、あれで終わって良いのだけどね。